2007年9月13日にファイナルラウンドが開催された「日本プロゴルフグランドシニア選手権(出場資格60歳~67歳)」、及び「日本プロゴルフゴールドシニア選手権(出場資格68歳以上)」はどちらも谷汲の歴史に残る激戦となった。
グランドの部ではトータル3アンダーで5人によるプレーオフの末、2ホール目でバーディをとった井上久雄プロ(60)が大激戦を制覇。ゴールドの部ではエージシュートを達成した杉原輝雄プロ(70)がトータル3アンダー、合計ストローク141で見事優勝を果たした。
また同日に行なわれたチャレンジトーナメント・「SRIXONチャレンジ」では杉原敏一(43)が優勝を果たしており、親子同日優勝の快挙も達成している。
グランドの部優勝に輝いた井上久雄選手は「久々にトップで折り返すということで、優勝を意識し緊張した。後半のロングホールで短いパーパットを外してしまい、そのホールボギーとなり追いつかれてしまったが、とにかく絶えようと思い、18番で何とかパーがとれて、プレーオフに持ち込めた。プレーオフでは、2ホール目のサードショットが自分の得意な左下りのフックラインにつけることができ、それが優勝へと繋がった」と、公式戦としては初めての優勝に感慨深げであった。
また親子同時優勝を果たした杉原輝雄選手は「優勝は十数年ぶりだけれども、やはり嬉しい。これを機にレギュラーツアー、シニアツアー両方で頑張っていきたい。そのためには健康が大切。ラウンド中に同じ様な年代の方から応援の言葉をいただきとても嬉しかった。」とのコメントに加えて、当時自ら公表していた前立腺がんについても少しでも長くプレーできるように健康に留意して頑張りたいと繰り返していた。
数々の戦績を刻み一時代を築いたゴルフ界のドンは、その後も優勝を刻み、4年後の2011年12月28日に74歳で生涯を閉じたが、目を閉じると今でも谷汲カントリークラブの18番ホールで多くのファンに笑顔でサインに応じる姿がまぶたに浮かんでくる。
優勝した、井上プロ(左)と杉原プロ(右)
井上プロがバーディーでプレーオフを制覇!