三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース

岐阜県揖斐郡のゴルフ場 三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コースは
2025年度「第92回日本プロゴルフ選手権大会」開催コースです。

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2015年10月28日 (水)

投稿担当: 谷汲フロント&総務

或るプロゴルファーの思い

朝食を摂りながら笑顔で挨拶している日焼けした横顔が印象的でした。
BL1
身長167㎝、体重62kgの小さなプロ。
日本人として初のメジャータイトルホルダーでありながら、とても愛くるしい雰囲気の井戸木鴻樹プロです。
2013年の全米プロシニアゴルフ選手権のチャンピオンが谷汲カントリークラブに来ていただいたので、いろいろとお話を伺いました。
来場のきっかけは、井戸木プロが、谷汲カントリーでの貸切コンペ出場の為でした。
BL2ゴルフは親の影響で9歳から始め、ジュニアの試合に一度だけ出場したことがあるそうです。そして見事優勝。
得意なクラブを伺うと、全部キライなクラブだと返事がきました。
極だって好きなクラブは無いけれど苦手なクラブを作らずに全てのクラブで戦う。
BL3ドライバーの飛距離が260ヤード。決して体格に恵まれているとは言えない分冷静なコースマネジメントと元来の負けん気で勝負するとの事でした。
井戸木プロと言うと、優勝の記憶よりも日本プロなどの難しいコースでの大会で上位に名前を連ねている印象があります。
その辺りをプロに尋ねると、「難しいセッティングが好き。自分のゴルフをやり続けてどこまで通用するか。そう言った局面こそ本来の自分が顔を出す機会なのかもしれません」
BL5そして2年前の優勝を飾った全米プロゴルフ選手権の経験もお聞きしました。
「選手権へのチャンスを得た当初、自分の技術がどこまで通じるか試したい。予選を残りたい。日本から参戦したプロの中で一番になりたい。そう思いながらプレーしました。」
気づいたら最終日の15番ホールグリーン横で、同伴競技者に肩をたたかれたそうです。そしてマーカーが指をさしたさきにリーダーズボードがあり、スタートから積み重ねた赤色の数字がどんどん増えて一番上に名前があったそうです。
「本当に心技体が充実していて、難しい上がりホールを、パー、バーディ、バーディと、そして優勝できました。」
その経験を共にした帯同キャディの宮崎綾さんにお話を伺いました。
「優勝した瞬間、尾崎直道プロと井戸木が抱きついて喜んで、そのあとプレスに囲まれ取材攻勢でした。そして、15分以内に次の週の試合に出場するかどうか決めろと言われました。」
BL7
時の人となった井戸木プロと喜びを分かち合ったのは、一時間以上あとの事だったそうです。
「自分たちがどう言う立場なのかも全く分からず、日本に帰ったら記者会見があってびっくりした」との事。
そこからが井戸木プロの心の葛藤が始まったそうです。
BL6
今回、谷汲でのコンペでのプロの部で優勝された時に、「2年前に全米プロで優勝してからずっと重いものがのしかかっていた。優勝者らしい井戸木鴻樹のプレーを見せなくてはいけない。と。だけど今日で少し気持ちが晴れました。」
目標を見失いつつあったプロが、何かを掴まれた感じでした。2年前のフィルム画像を少しずつ今と重ね合わせて、もう一度、高みを目指したいと話されました。
プロが言葉にされなかった次なる目標、日本シニアオープンゴルフ選手権が明日より始まります。

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